お知らせ

『ビッグイシュー日本版』創刊17周年 市民のみなさんへ感謝のごあいさつ

2020年 9月 11日
ビッグイシュー日本からのお知らせ

市民のみなさんへ感謝のごあいさつ

 

本日、2020年9月11日、雑誌「ビッグイシュー日本」は創刊17周年を迎えることができました。
2020年4月1日に雑誌価格を350円から450円へと値上げをした直後、4月7日に新型コロナウィルス感染症の大流行に対して緊急事態宣言が出されました。その結果、街角から人の姿は消え、雑誌売り上げ数も激減、4月1日号31%減、15日号40%減、5月1日号40%減となる新年度のスタートになりました。
常識的には、出足でつまずき倒れ、立ち上がれずに、消滅して当然という状況でした。
しかし、この窮状のなか販売者、スタッフは路上での販売のほかに「コロナ緊急3ヵ月通信販売」を提案し、それに呼応して多くの読者が参加してくれました。結果として普段の雑誌売上数の4割をこえる方々のご参加をいただき、ビッグイシュー日本は息を吹き返し、再び歩きはじめることができたのでした。
同時に、雑誌の内容や取り組みに、「非常に社会的でありながら、偏りがなく声高でないところ好き」、「関心のなかったりする世界で起きていることなども読ませる力が貴誌にはあり、世界が広がるのを感じています」、「ビッグイシューが尊厳ある生き方を守る取り組みなのだと、わかるようになりました」などの声もいただいています。
また、コロナ感染を社会的に抑制する切り札だった「ステイホーム」についても、「ホームなき人」である販売者とともに、食料、静養できる個室、生活資金などの確保のため全力を尽くし、生活困窮の方へも市民のネットワークによって応援を広げるよう努力しました。

私は、消滅と再生の瀬戸際で、改めてビッグイシューは市民のもの、社会の一部であることを感じることができました。
いま17周年を迎えられたこと自体を喜び、感謝し、社会の構成員として自らを感じながら、次のステップへと踏み出したいと考えています。どうか、これからも雑誌をはじめ基金を含めたビッグイシューの仕組みを、社会のために存分に使っていただき、ともに活動してくださるよう心からお願いします。

 

2020年9月11日
ビッグイシュー日本共同代表 佐野章二/水越洋子