販売者に会いにゆく (旧・今月の人)

『ビッグイシュー台湾版』 販売者 ホン・チンイン

夫の死から6年。ともに涙したお客さんに励まされた
いま、台南中を飛び回るように販売

『ビッグイシュー台湾版』 販売者 ホン・チンイン

74歳のホン・チンインは〝ホンおばさん〟として知られ、台南市で『ビッグイシュー台湾版』を販売している。チンインは年齢の割に健康そうに見える。
 ホリデーシーズンの「中秋節」真っただ中の台南で、道行く誰もが笑顔を浮かべているが、雑誌販売をしているチンインも同様に、マスクをしていてもわかるくらいの笑みをたたえている。
 チンインと夫がけがのため清掃業をやめなければならなくなったのは、6年前のことだ。生計を立てるためにチューインガムの販売を始めたが、駅で出会った『ビッグイシュー台湾版』販売者に勧められて、夫がまず長栄大学前で雑誌販売の仕事に携わることになった。
 だが、人生は予期せぬ展開を見せた。ほどなくして夫が急死したのだ。落ち込む間もなく、チンインは夫の売り場を引き受けることにした。「雑誌販売の仕事は融通がききますから、夫の売り場を引き継ぐことに迷いはありませんでした」
 夫の売り場を引き継...

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『ビッグイシュー台湾版』
1冊の値段/100台湾元(そのうち50台湾元が販売者の収入に)
発行頻度/月刊
販売場所/台北、桃園、高雄など

Text:Chen Zi-Hua/The Big Issue Taiwan/INSP/編集部

Photo: Chen Zi-Hua

※掲載内容は取材当時のもののため、現在と異なる場合があります。

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