販売者に会いにゆく (旧・今月の人)
『リツェウリツェ』ナタシャ・ボヤニッチ
内戦で難民となり、セルビアへ
ダウン症の困難をこえ、自分の人生を切り拓いた
ナタシャは1990年代、母と祖国ボスニア・ヘルツェゴビナを後にした。内戦のためだった。セルビアに到着してさまざまな難民センターで暮らす日々は、ダウン症の彼女にとって困難を極めた。
「内戦がなければ今でもサラエボで暮らしていたでしょうね」とナタシャの母ミレナは言う。もし自宅に留まることができていれば、ナタシャは特別なホームスクーリングに参加しているはずだった。
「3歳の時から言語セラピストや特別支援教育の先生についてもらい、ナタシャの可能性が最大限に引き出されていると感じていました。彼女の努力が報われるのを目の当たりにして、私もナタシャのサポートを続けたいと強い思いを抱くようになっていました」
しかし、内戦とそれに続く難民生活はそれまでの努力を水泡に帰した。セルビアでは特別支援学級に入る選択肢はなく、通常の学校に通うことを余儀なくされた。結果的にナタシャは、自分の世界を守るために根気強...
※掲載内容は取材当時のもののため、現在と異なる場合があります。
この記事が掲載されている BIG ISSUE
457 号(2023/06/15発売)
特集ニューロダイバーシティ 発達障害アップデート
スペシャルインタビュー:リン=マニュエル・ミランダ
リレーインタビュー:永井玲衣さん