販売者に会いにゆく (旧・今月の人)

ハンガリー『フェデル・ネルクル』ハルミ

フルート演奏しながら雑誌販売、そして人生相談。
「太陽が輝き、雨が降って、植物は育つのです」

ハンガリー『フェデル・ネルクル』ハルミ

2020年から『フェデル・ネルクル』の販売者として働いているアランカ・ハルミ。ハンガリーの首都ブダペストにあるエテル広場とモーリッツ・ジグモンド広場という2つの売り場をかけ持ちしている。
 路上での彼女はひときわ目を引く。というのも、雑誌販売とともにフルートの演奏をして、お客さんを楽しませているからだ。
「じつは職を失った時にまず始めたのは、路上で歌うことだったんです。でもベーコンの欠片を誤嚥したことをきっかけに、2年間はしゃべることもままならない日々を過ごしました」とハルミ。数年後には1、2曲は歌えるようになったものの、声は元通りには戻らなかった。
 そうして、次に彼女が手にしたのがフルート。これによって雑誌販売をしながらフルートを演奏するという、ハルミのユニークな商いが生まれたのだった。
「ホームレスというと『ただ道をほっつき歩いている』とか『ボロをまとっている』というようなイメージを...

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『Fedél Nélkül』
1冊の値段/仕入れ値100フォリント、販売額は寄付制
(仕入れ値を超える利益分が販売者の収入に)
発行頻度/隔週

Text: Zsóka Polák, Fedél Nélkül/INSP/編集部

Photo: Szofi Mihályi

※掲載内容は取材当時のもののため、現在と異なる場合があります。

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