販売者に会いにゆく (旧・今月の人)
『ビッグイシュー・オーストラリア』販売者 ロン・K
10歳から働き始め、文字の読めなかった半生。
いま大学へ通い「とってもいい気分だね」
オーストラリア南部のアデレードで『ビッグイシュー・オーストラリア』を販売するロン・Kは10歳の頃から工場や農場、またトラック運転手として働いてきた。そうやって数十年もの間、字が読めなくても生計を立てる道を模索してきた。
「ビッグイシューの仕事を始めたのは6年前だよ。その時は雑誌を読めなかったんだ。学校にあまり通えなかったから。生意気だったし、いくつも問題を起こしてきたしね」
外で恥ずかしい思いをすることも少なからずあったという。「(失業手当などを給付する)センターリンクでは1週間にいくつもの仕事を探しに行かないといけないんだけど、『字を読めない僕を受け入れられないなら、いいよ』って拗ねたりしてね。でも恥ずかしい思いをしたり、誰かを傷つけたりする以外の道があるなら、そっちに行きたいとも思っていたよ」
ビッグイシューの販売を始めて、ある日のこと。ロンは字を読まなければならない場面と遭遇した...
※掲載内容は取材当時のもののため、現在と異なる場合があります。
この記事が掲載されている BIG ISSUE
472 号(2024/02/01発売)
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