販売者に会いにゆく (旧・今月の人)

『ビッグイシュー台湾版』販売者  宋 美鴻

支援してくれる人に出会って、乗り越えた逆境
平穏な日常生活を、自分の手で取り戻したい

『ビッグイシュー台湾版』販売者  宋 美鴻

「この土地で、支援してくれる多くの人たちと出会えました」
 生まれも育ちも台北の宋美鴻は、結婚後に嘉義市や高雄市へ移り住み、台湾西部を転々としたのちに、ここ台南市で腰を据えることとなった。
 現在は、人通りの絶えない國華街のショッピングエリア「西門浅草青春新天地」付近で、雑誌販売をしている。「人気の麺屋さんが改修中だから、めっきり来る人が減ってしまってね……」。最近の売り上げの落ち込みに、宋は販売を始めた頃のことを思い出す。
 ビッグイシューの販売者になったのは2016年。それまでは、慈善団体の斡旋でネジなどの輸出品をパッキングする仕事を請け負っていた。同僚がビッグイシューを販売する仲間を集めていた矢先に、彼女も誘いを受けた。
 宋は傍らの木箱を撫でながら「これは上の階で和風雑貨ショップ『山田雑貨』(※)を経営していた日本人オーナーのご夫妻が作ってくださったんです」と教えてくれた。中には、...

続きは、本誌をご覧ください

『ビッグイシュー台湾版』
1冊の値段/150台湾元(そのうちの75台湾元が販売者の収入に)
発行頻度/月刊
販売場所/台北、桃園、高雄、台南など

※掲載内容は取材当時のもののため、現在と異なる場合があります。

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