販売者に会いにゆく (旧・今月の人)
『アプロポ』 販売者 イフェアニ・マドゥアコ
新天地を求めて渡ったオーストリア
家族にとって「第二の故郷になれば」と願いながら
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ナイジェリア出身のイフェアニ・マドゥアコは、妻や子どもと一緒に2024年3月からオーストリアのザルツブルクに住んでいる。
彼は家族とどうやってここへたどり着き、『アプロポ』の販売者となったのだろうか? ニュースで目にするように、アフリカ大陸から多くの人々がサハラ砂漠をへとへとになりながら越え、小さな船で地中海を渡ろうと危険な旅をする痛ましい姿が脳裏をかすめる。
「私たちはナイジェリアの港湾都市ラゴスを出発して、トルコのイスタンブールを経由し、飛行機でオーストリアに着きました。母国にいた頃からドイツ語の勉強を始め、妻はザルツブルクの大学で政治学の修士号を取得するつもりです」
そしてマドゥアコは、新天地での魅力を続けざまに語った。
「私たちアフリカ人は、アフリカ以外により良いところがあると信じているんです。本当ですよ。ここザルツブルクに来てからは生活が一変しました。誰も物を盗みに来ないし、...
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『Apropos』
1冊の値段/4ユーロ(そのうちの半分が販売者の収入に)
発行頻度/月刊
販売場所/ザルツブルク
※掲載内容は取材当時のもののため、現在と異なる場合があります。
この記事が掲載されている BIG ISSUE
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497 号(2025/02/15発売)
特集対話から回復へ オープンダイアローグの10年
スペシャルインタビュー:モニカ・バルバロ
リレーインタビュー:アーティスト 新城大地郎さん