販売者に会いにゆく (旧・今月の人)

『ビッグイシュー台湾版』販売者 リウ・チュンシン

隣人を助け、ポジティブに人生に立ち向かう
まるで小説の主人公のように

『ビッグイシュー台湾版』販売者 リウ・チュンシン

週末になると、台中市のショッピングエリア「一中街」は買い物客でにぎわう。そこからほど近い国立台中科技大学の前が、リウの販売場所だ。「雑誌販売者になって、もう10年以上になります」と語る60代の彼は、それ以前には台中駅周辺で生活していたという。時には隣県の員林市や、さらに南の台南市や高雄市までヒッチハイクしたこともある。
「若い頃はゲームセンターの店長をしていました。当時は、ギャンブル業界と地元警察との間で賄賂が横行していたのですが、一斉摘発で失職してしまいました。その後、タクシー運転手に転職したんです」
 ところがある日、運転中に急に駆け寄ってきた犬を避けようとハンドル操作を誤り、1ヵ月の入院を必要とするほど右手に重傷を負った。さらに10ヵ月間のリハビリを余儀なくされたたものの、結局、神経がやられた右手は完治せず、運転手としても立ち行かなくなった。
 2010年に『ビッグイシュー』と出合い...

続きは、本誌をご覧ください

『ビッグイシュー台湾版』
1冊の値段/150台湾元(そのうちの75台湾元が販売者の収入に)
発行頻度/月刊
販売場所/台北、桃園、高雄、台南など

※掲載内容は取材当時のもののため、現在と異なる場合があります。

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