価格改定などに関するQ&A

Q1 「ビッグイシューのジレンマ」とは何ですか?

雑誌『ビッグイシュー日本版』を創刊して17年が経ち、この間に路上生活状態の人が2万5千人から5千人弱と8割も減りました。これ自体は他の市民の活動などと協力してビッグイシューが目指していたことですし、NPO法人ビッグイシュー基金も「路上脱出ガイド」を10万冊以上配ったこと、などの成果でもあると思っています。しかし、それにともなって販売者が減り、雑誌の販売冊数も減って、会社は赤字を出しています。この板ばさみの状態を「ビッグイシューのジレンマ」と表現しています。

Q2 なぜ価格改定が必要ですか?

Q1でジレンマについてお話ししましたが、昨年8月の読者アンケートなどで広く社会のご意向や意見を聞いてきました。その結果、読者の9割ほどの方からは、ビッグイシューの事業はさらに続けるべきだという声をいただきました。
ビッグイシューでは定価の半分以上が販売者の収入となります。この仕組みを維持すると同時に、価格改定をすることで、販売者一人ひとりの収入が増え、より多くの人が自活することができるようになることも期待しています。
また、路上生活者だけでなく、生活困窮の方の一時的であっても今すぐ働ける仕事として、働く機会を提供していきたいと考えています。

Q3 10%増税をふまえて、350円になったと聞いていましたが、あらたに450円となる理由を教えてください。

2014年4月の8%増税の時には、その時の販売者数(全国で約140名)と販売部数(年間約50万部)で350円とさせていただければ、数年かけて経営を安定させながら、販売者の収入安定にも取り組めると考えていました。しかし、15年度から18年度にかけて販売者が減り同時に販売額も減り、その結果、会社の経営は赤字となり、それが続いています。事業を継続させていくために赤字の解消が必要で、定期購読者を増やし、生活困窮の方の販売も可能にして販売者を増やすなどの方策とともに、値上げに踏み切らざるを得ませんでした。
また、今回の改定で販売者の収入は、定価450円のうち230円が販売者の取り分になるなど収入アップも目標です。平均的な冊数(150冊から200冊)を毎号販売できれば一か月当たり6万9千円から9万2千円となり、単身者の生活保護費の生活扶助費と同程度かそれ以上の収入が望めます。
販売者が雑誌の収入で自活できるような状況を作ることは、創刊当初からの念願でしたが、その希望がかなえられます。

Q4 値上げしてえた利益はどのように販売者に還元されますか?

当面は雑誌発行を継続し、事業を安定させ、販売者にとってより良い‟仕事”となるための資金として使わせていただきます。そして引き続き、「誰にとっても生きやすい未来を提案する」より良い雑誌をお手元に届けられるようにしていきます。

Q5 販売者の収入はどれぐらい上がりますか?

これまでより1冊あたりプラス50円、230円の収入となります。10冊あたり500円、100冊あたり5,000円増になります。
たとえば、平均販売冊数は1号あたり150冊~200冊ですので、175冊売れば4万250円となります。1日と15日の月二回発行される雑誌を継続的に販売すれば、月に8万500円の収入となり、これは生活保護費の生活扶助費の水準になります。さらに、毎号217冊販売すると、月約10万円の収入となります。

Q6 雑誌の内容は変わりますか?

値上げに合わせて、デザインの変更を考えています。また、内容についてもさらなる充実をめざし、新しい連載などを検討しています。

Q7 販売者が立っている地域でも定期購読ができるようになれば、販売者さんの売り上げを減らすことにはなりませんか?

ビッグイシューの目的は、販売者が仕事として路上で雑誌を販売し自活・自立することをサポートすることです。しかし販売者が立っている地域の読者の中には、お身体が不自由などの理由で外出できず雑誌を購入できないとおっしゃる方がおられます。そのような方にも雑誌を届けたいと思っています。もちろん、販売者の理解のもとです。一方、通信販売によって日本全国で買えるようになると雑誌の認知度も上がることが期待されます。また、現在の定期購読者は505人(2020年1月)、当面、これを1000人程度に増やしたいと思っています。

Q8 販売者が立っている地域での、カフェ、ショップなどでの雑誌の委託販売は、販売者さんの売り上げを減らすことにはなりませんか?

もちろん、販売者が立っているすぐそばのカフェ、ショップで委託販売をしてもらうことは原則ありません(販売する場合は必ず最寄りの販売者と相談して進めます)。また、カフェ、ショップでは、ビッグイシューの活動や販売者が立っている場所などについての広報をお願いできたらと思っています。

Q9 販売者の定義の拡大について、どんな人が今後売れますか?

生活困窮者の人にも販売ができるように目指していきますが、まずは私たちがつながりのある生活困窮者をサポートされている方々と相談して、進めていきたいと考えています。