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いま、当事者研究の時代― 北海道・浦河べてるの家から
精神障害のある人は普通の社会生活がしにくいと思われ、いわば、社会から最も排除されやすい人々でもある。その社会的排除の極にある人々が100人以上暮らす北海道浦河町では、「浦河べてるの家」というコミュニティをつくり、仲間や地域の人々とともに暮らすだけでなく、地場産物である日高昆布の加工、喫茶店や福祉ショップなどを経営し、過疎化がすすむ地域社会をリードしている。彼らの言葉によれば、過疎という「地域の苦労に参加」し、「社会復帰ではなく社会進出」しようとしている。そんな彼らと、べてるの家の魅力的な活動をつくりだす核となったと思われるのが「当事者研究」だ。それは、精神の障害を医者などの専門家に預けてしまうのではなく、自らの症状を自分自身の苦労として取り戻し、自己病名をつけ仲間の助けもかりて「自己研究」し、その成果である生きる知恵や方法を「スキルバンク」に登録、公開、仲間とともに共有する。そして、自分の弱さや苦労を積極的に活用し、生きていくプロセスに投げ返すのだ。今、さまざまな社会問題は、当事者自身が主役にならないと解決しないところにきているのではないだろうか? べてるの家の当事者や支援者の話や試みは、日本社会への一つの大きな問いかけであり、社会の元気と未来をつくっていく力強い提案ではないかと思える。
当事者を生きる。自分の生きづらさ、苦労を丸投げしない。人は「自分の苦労の主人公」になれる
─ 向谷地 生良さん
べてるに長年いると、今の苦労は病気じゃなくて普通の苦労に変わってきた
─ 本田 幹夫さん
生きるためには、食べるのと同じくらい話すことが大切なんです
─ 渡辺 さや可さん
手の震えは、心の震え。だからこそ「なんぼ手が震えてもいい」
─ 亀井 英俊さん
私にとって大切なのは、わいわいがやがや言える「"場の力"を信じる」ことなんです
─ 清水 里香さん
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- YOUR ISSUE ― あなたのオピニオン
FROM THE STREET ― 街角と販売者
■コミック エモ!言われん 猫年ってないの
■路上から
■今月の人「新春座談会」(前編)
失敗しても「ビッグイシューがあるよ!」ぐらいの気持ちで、前に進んでいけたらいいよね
FROM EDITORIAL 編集後記
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447 号(1/15 発売)
南極と人類の未来
南極で失われる氷が主要因となって、21世紀末までに地球の海水準が2m近く上昇する可能性がある――。
2021年、IPCC(気候変動に関する政府間パネル)が発表した報告書は、世界に大きな衝撃を与えた。
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406 号(5/1 発売)
コロナ禍で考えた“民主主義”
2020年3月11日、WHOの宣言以来1年余り、新型コロナのパンデミックは続く。市民はマスク・手洗い・三密回避を身につけ、ステイホーム・外出自粛などの呼びかけに進んで協力してきた。しかし、4月に入って...
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