販売者に会いにゆく (旧・今月の人)
イギリス『ビッグイシュー英国版』販売者 マイケル・コステロ
人のやさしさほど素晴らしいものはない
雑誌販売のかたわら、野生動物の保護活動も
国では今年初めに3度目の都市封鎖が行われ(4月12日に一部で解除)、1000人ほどいる『ビッグイシュー英国版』の販売者も仕事の機会を失った。ロンドン東部の再開発地域カナリー・ワーフで販売しているマイケル・コステロ(74歳)も、その一人だ。
「若い頃は仕事に困らなかったけど、60代になった頃からかな、次第に仕事を見つけるのが難しくなったね」とコステロは振り返る。「それ以降は皿洗いの仕事にしか就けなかった。あまり得意じゃなかったよ」
コステロは動物学と心理学の博士号を持っており、研究に従事したかったと語る。しかし面接が得意ではなく、研究職に就くのは難しかったという。
スコットランド・アバディーンの空き家で暮らしていたこともある。ロンドンに移った後は、長年スクウォット(※1)をしていた。だがある日のこと、スクウォット仲間からビッグイシューのことを聞き、販売に携わるようになった。「当初から雑誌...
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この記事が掲載されている BIG ISSUE
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