販売者に会いにゆく (旧・今月の人)
『ビッグイシュー韓国版』チョン・ソンウさん
かつては靴メーカーを経営、通貨危機で路上へ
販売を始め、お酒について考える時間が減った

チョン・ソンウはソウル地下鉄3号線の駅前で『ビッグイシュー韓国版』を販売している。売り場の付近は(旧大統領府)を訪れる観光客や、その裏にそびえるへ向かう人々でいつも賑わっている。
「最近は人通りが増えましたね。待ち合わせの合間に雑誌を購入する方もいますが、売り上げのほとんどはお得意さんによるものです」
ソンウがホームレス状態になったのは、アルコール依存症がおもな原因だった。「2013年から約5年間、リハビリ施設に入所していました。きっかけは路上で血を吐き意識を失ったこと。当時50歳になったばかりでしたが、身体はぼろぼろでした」
「それからはまったく飲んでいませんが、今でもお酒のことを考えてしまう時があります。でもいったん飲酒を再開すると事態が悪化するのはわかっているので、注意しているんです。かつて断酒を試みたものの、再び手をつけてしまった結果が路上での吐血でしたから」
ソンウは現在、考...


『ビッグイシュー韓国版』
1冊の値段/7000ウォン(そのうち3500ウォンが販売者の収入に)
発行頻度/隔週
販売場所/ソウル、プサン
Text:An Deok-hee, The Big Issue Korea/INSP
Photo: Lee Sang-hee
Photo: sanga park/Alamy Stock Photo
(Photoキャプション)
「部屋で過ごすよりも、お客さんとの会話が楽しい」と語るチョン・ソンウ
北岳山の麓に立つ青瓦台
※掲載内容は取材当時のもののため、現在と異なる場合があります。
この記事が掲載されている BIG ISSUE

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