販売者に会いにゆく (旧・今月の人)
セルビア『リツェウリツェ』 エレナさん
いつかは愛する人と家庭を持ちたい
変えられない状況は、喜びをもって受け入れる

私はエレナ・ラデタ。もう12年間、セルビアの首都ベオグラードの中心にあるクネズ・ミハイロヴァ大通りで『リツェウリツェ』を販売しています。お客さんを惹きつけるには笑顔が肝心、そして明るく元気に振る舞うことが大切ですね。
できれば正規の職に就きたいと思っています。自活したいので、雑誌販売以外にも清掃係としてホテルで働いています。両親はずっとサポートしてくれましたが、生涯を通じてそばにいてもらえるわけではありませんから。
私はてんかん持ちなのですが、障害者に対する偏見はいまだ根強いものがあります。てんかんといっても種類はさまざまで、私の場合は比較的軽い方です。ただ、18歳まではあまり合っていない薬を投与されていたようで、以前は突然道で転倒することもよくありました。
通学中に発作が起こり、気づけば救急車に乗せられていることもありました。でも今は病院を変えて適切な治療を受けているおかげで、幸い...

『Liceulice』
1冊の値段/200セルビア・ディナール(そのうち半分が販売者の収入に)
発行頻度/月刊
販売場所/ベオグラードほか
Text:Milica Terzić, Liceulice/INSP
Photo: Sara Ristić
(Photoキャプション)
ベオグラードの中心にある、クネズ・ミハイロヴァ通り
Photo:imageBROKER/Alamy Stock Photo
※掲載内容は取材当時のもののため、現在と異なる場合があります。
この記事が掲載されている BIG ISSUE

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