販売者に会いにゆく (旧・今月の人)
米国『ストリート・ジン』販売者 マイケル・カルフーン
30年の刑務所生活で見つけた理想の自分の姿
「与えられた命をまっとうして生きる」
当時16歳の若さで、テキサス西部の刑務所に収容されたマイケル・カルフーン。刑期は30年にも及んだ。
「まだ子どもでしたが、大人と同じ房に入れられましたね」とカルフーンは言う。「その頃はギャング組織に所属していたこともあり、入所後も暴力と隣り合わせの日々が続きました」
カルフーンは長期にわたり、独房に置かれることになった。「1日のうち23時間を一人きりで過ごすんです。残りの1時間は手錠をはめられて部屋から出て、シャワーを浴びて、また房の中に戻る」。それが19歳から27歳までの人生だった。
その間、刑務所の外ではインターネットやソーシャルメディアが急速に普及するも、携帯電話の使い方すらカルフーンは知らなかったという。出所したのは3年前のことだ。「外国に来たようなものですよ。生きのびるためには、一つひとつ覚えていかなくては」
変わったのは外の世界だけではない。家族にも変化が訪れていた。20...
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この記事が掲載されている BIG ISSUE
466 号(2023/11/01発売)
特集スポーツを文化にする
スペシャルインタビュー:美弥るりか
リレーインタビュー:Rihwaさん