販売者に会いにゆく (旧・今月の人)

『ビッグイシュー台湾版』販売者  カン・チューエン

人より多くの時間と努力が必要だった。
でも今、多くの困難に直面しながらも、働く楽しさを満喫

『ビッグイシュー台湾版』販売者  カン・チューエン

工場跡地にできた台北の文化スポット「華山1914文化創意産業園区」を後にして、最寄駅である地下鉄・忠孝新生駅の2番出口に着いたカン・チューエンは、電動車椅子を上手に乗りこなしながら、人波をかき分けてエレベーターでホーム階に降り、電車を乗り換えた。「次の駅では反対側の扉が開くから気をつけてね」。地下鉄を熟知していることが誇らしげだ。
 チューエンはいつもお客さんに、満面の笑みで「ありがとう!」と声をかける。先天的な脳性麻痺により動きは限られており、幼少期から多くの困難に直面してきた。「お手洗いから、着替えまで日常の細々としたことにも、人より多くの時間と努力が必要でした。でもそうやって時間をかけて努力したことにより、今ではこうやって外出して、人とコミュニケーションが取れるようになったのです」
 それでもやはり仕事を探すとなると、さらなる困難が待ち受けていたと語る。「ビッグイシューがなければ、今...

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『ビッグイシュー台湾版』
1冊の値段/150台湾元(そのうち75台湾元が販売者の収入に)
発行頻度/月刊
販売場所/台北、桃園、高雄など

Text:Lin Yue-tung, The Big Issue Taiwan/INSP/編集部

Photo: The Big Issue Taiwan

※掲載内容は取材当時のもののため、現在と異なる場合があります。

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