販売者に会いにゆく (旧・今月の人)
オーストリア『アプロポ』販売者 アラウイ・ボゴントズ
難民として、忍耐と学び、ほのかな希望を抱く日々
ストリートペーパーの販売者を経て、シェフへ
アラウイ・ボゴントズ、通称ボゴ(42歳)は、待ち合わせ場所にしたホテルの中庭でギターを傍らに置いたまま佇んでいた。
西アフリカのトーゴ共和国出身で、以前は『アプロポ』の販売者だったアラウイ。現在はオーストリア・ザルツブルクにあるホテル「ブラウ・ガンズ」でシェフをしている。「母国ではバリメという街で育って、ほんの少しだけど学校に通ったよ。何もかもがオーストリアとは違っていたね」
2011年、難民としてオーストリアに到着すると、すぐにザルツブルクが気に入ったという。「家々が綺麗で、整っている。すべてが機能していると感じたんだ」
「それからまず、ザンクト・ヨーハン・イム・ポンガウにある難民センターへ向かった。当時はドイツ語がまったく話せなかったから苦労したね。故郷ではフランス語が公用語だったけど、そのほかにも多くの言語があるよ」
その後『アプロポ』の販売に従事し、ドイツ語クラスにも通った。...
※掲載内容は取材当時のもののため、現在と異なる場合があります。
この記事が掲載されている BIG ISSUE
483 号(2024/07/15発売)
特集海洋生物国の小さな水族館
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