販売者に会いにゆく (旧・今月の人)
『リツェウリツェ』販売者 スロボダン・ラジッチ
内戦で精神的に病み、通院がきっかけで販売者に
一番の幸せは、販売者である彼女の雑誌が売れる時
私は旧ユーゴスラビアの首都ベオグラードで生まれて以来、この街が大好きです。学生時代は工科大学に進みましたが、仕事が見つかって忙しくなり中退しました。
今は61歳で、6年前までエレベーターの保守点検をする仕事で朝から晩まで働いていました。退職後は収入がなくなったので、障害年金をもらいながら、昼間に新聞雑誌店のキオスクで働き、夕方から繁華街のスカダルリヤ地区で『リツェウリツェ』を販売する日々を送っています。
以前は一日で100部以上売れていた頃もあったのに、今は売り上げがすっかり減ってしまいました。それでも雑誌を買ってくれるお客さんは中年層の人たちが多く、お菓子や飲み物を差し入れてくれたり、「元気?」と声をかけてくれる人もいます。いつも、そんな温かい気遣いがありがたくてね。
1990年代に起こったユーゴスラビア内戦で、私は精神的に病んでしまい、今でもずっと治療を受けています。『リツェウリ...
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この記事が掲載されている BIG ISSUE
491 号(2024/11/15発売)
特集恐竜関心大国 日本と恐竜
スペシャルインタビュー:ニック・ケイヴ
リレーインタビュー:モデル Amoさん