販売者に会いにゆく (旧・今月の人)

『リツェウリツェ』販売者 スロボダン・ラジッチ

内戦で精神的に病み、通院がきっかけで販売者に
一番の幸せは、販売者である彼女の雑誌が売れる時

『リツェウリツェ』販売者 スロボダン・ラジッチ

私は旧ユーゴスラビアの首都ベオグラードで生まれて以来、この街が大好きです。学生時代は工科大学に進みましたが、仕事が見つかって忙しくなり中退しました。
 今は61歳で、6年前までエレベーターの保守点検をする仕事で朝から晩まで働いていました。退職後は収入がなくなったので、障害年金をもらいながら、昼間に新聞雑誌店のキオスクで働き、夕方から繁華街のスカダルリヤ地区で『リツェウリツェ』を販売する日々を送っています。
 以前は一日で100部以上売れていた頃もあったのに、今は売り上げがすっかり減ってしまいました。それでも雑誌を買ってくれるお客さんは中年層の人たちが多く、お菓子や飲み物を差し入れてくれたり、「元気?」と声をかけてくれる人もいます。いつも、そんな温かい気遣いがありがたくてね。
 1990年代に起こったユーゴスラビア内戦で、私は精神的に病んでしまい、今でもずっと治療を受けています。『リツェウリ...

続きは、本誌をご覧ください

『リツェウリツェ』
1冊の値段/200セルビア・ディナール(そのうちの半分が販売者の収入に)
発行頻度/月刊
販売場所/ベオグラードほか

※掲載内容は取材当時のもののため、現在と異なる場合があります。

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