販売者に会いにゆく (旧・今月の人)

『アプロポ』販売者  ヴァレリカとルミニッツァ

故郷とオーストリアを行き来して10年
いつかはレンガ造りの家に住んでみたい

『アプロポ』販売者  ヴァレリカとルミニッツァ

ヴァレリカとルミニッツァは、夫妻で『アプロポ』の雑誌販売をしている。ホテルでインタビューを始める前に、ヴァレリカは携帯電話を取り出し、家族の写真を何枚か見せてくれた。「この子たちが、ともに4歳になる孫のアレクサンドルとメリサだよ。こちらの高床式の小屋は、ルーマニアでの私たちの家」。そして、中には血まみれになった青年の写真もあった。彼の名前もアレクサンドルで、21歳の長男だという。彼にいったい何が起きたのだろう? 後でヴァレリカが語ってくれるはず。
 フォトグラファーと通訳が到着し、撮影が始まるとヴァレリカの表情がこわばったが、妻のルミニッツァが彼をハグすると表情が和らいだ。
 まず、二人の日常生活について尋ねてみた。「朝7時に仕事場へ行き、夕方5時まで雑誌を販売します。終わったらシャワーを浴びて、少し電話をかけたら、後はベッドで眠るだけですよ」。私たちの生活と何ら変わらないように聞こえるが...

続きは、本誌をご覧ください

『Apropos』
1冊の値段/3ユーロ(そのうちの半分が販売者の収入に)
発行頻度/月刊
販売場所/ザルツブルク

※掲載内容は取材当時のもののため、現在と異なる場合があります。

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