販売者に会いにゆく (旧・今月の人)

『ビッグイシュー台湾版』販売者 劉 台招(リョウ タイチャオ)

大金をだまし取られ、余儀なくされた路上生活。
時間は誰にも平等、今生きている瞬間を大切にしたい

『ビッグイシュー台湾版』販売者 劉 台招(リョウ タイチャオ)

季節性の大雨が止み、晴れ渡った空にまぶしい太陽の光が降り注ぐ、台北の街。地下鉄の板橋駅の出口では、販売者の劉が腰をかけながら『大誌(※)』の表紙を掲げて売っていた。
 劉は、自らを「板橋のおばあちゃん」と呼ぶ。インタビューのためにコーヒーを一緒に飲まないかと誘っても、自分のいない間に常連客が来てはいけないからと断るほど、彼女は非常に勤勉だ。午前中にビッグイシュー事務所へ寄って仕入れをしてから、終電の時間になるまで、ほとんど持ち場を離れることはないという。
 劉のおしゃべりに耳を傾けているうちに、過去の話に及ぶと、彼女の心に悲しみが津波のように押し寄せてきたようだった。子どもの頃に足に大けがを負った劉は、医師から切断しなければならないと告げられたが、母親がそれを承諾しなかった。「お母さんは私のために、他に腕の良い医者はいないかと、あちこち探し回ってくれたんです」。しかし、足を切断することはな...

続きは、本誌をご覧ください

『ビッグイシュー台湾版』
1冊の値段/150台湾元(そのうちの75台湾元が販売者の収入に)
発行頻度/月刊
販売場所/台北、桃園、高雄、台南など

※掲載内容は取材当時のもののため、現在と異なる場合があります。

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