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東田直樹著 - 「社会の中で居場所をつくる-自閉症の僕が生きていく風景(対話編)」
東田直樹・山登敬之著
東田直樹・山登敬之 著
『社会の中で居場所をつくるー自閉症の僕が生きていく風景(対話編)』
発売日 2015年10月
連載57回分/東田さんへの質問「A to Z」も収録。B5判変型、ソフトカバー、149ページ
定価1600円(税込)
※路上で販売者から購入いただくと、定価の半分以上の800円が販売者の収入になります。
「自閉症のまま生き続けなければならない。そう気づいた時、僕の心に残ったのは、絶望ではありません。」(東田直樹/本文より)
「東田直樹という作家を知り、自閉症についても知能についても、私はこれまでの常識を見事にひっくり返されたのです。」(山登敬之/本文より)
重度の自閉症のため「普通の会話が難しい」作家・東田直樹さんが、精神科医の山登敬之さんと語り合った前代未聞の往復書簡。
「記憶」「自閉症者の秘めた理性」「正義とは」「純粋さ」「嘘」「自己愛」「自閉症者の世界」「人間という生き物」といった深く根源的な問いを投げかけあい、正面から語り合います。 雑誌『ビッグイシュー日本版』で二年半にわたった連載を単行本化しました。
〈著者紹介〉
東田直樹(ひがしだ・なおき)
1992年、千葉県生まれ。作家。重度の自閉症を持つが、パソコンおよび文字盤ポインティングにより、援助なしでのコミュニケーションが可能。小学校5年生までは授業中も母に付き添われて、普通学級に在籍。小学校6年生から中学3年生までは、養護学校で学ぶ。その後、2011年3月アットマーク国際高等学校(通信制)卒業。
2014年8月に出演したNHK特集番組「君が僕の息子について教えてくれたこと」は、文化庁芸術祭 テレビ・ドキュメンタリー部門で大賞を受賞。
角川学芸出版、エスコアー ル、ビッグイシュー日本、イースト・プレス、小学館、朝日新聞社、交通新聞社より、童話、詩、絵本を20冊出版。
→東田直樹オフィシャルサイト / →東田直樹オフィシャルブログ
山登 敬之(やまと・ひろゆき)
1957年、東京生まれ。東京えびすさまクリニック院長、精神科医。筑波大学大学院博士課程医学研究科修了。専門は、児童青年期の精神保健。著書に『新版・子どもの精神科』(ちくま文庫)、『芝居半分、病気半分』(紀伊国屋書店)、『母が認知症になってから考えたこと』(講談社)、『子どものミカタ』(日本評論社)など。
目次より
- はじめに 山登敬之
- T 原始の感覚、未来につながらない記憶
- 作家、東田直樹に自閉症の常識をひっくり返された/成長とともに失ってしまう原始の感覚を、僕は持ち続けている/障害を欠点ととらえず、個性だと考える人が増えてほしい/働く、仲間になる、僕たちも社会の中で居場所をつくりたい 他
- U 「こだわり」と「好き」の間、自閉症者の秘めた理性
- まさか自分も人だと考えていなかった/「こだわり」や「とらわれ」と「好き」の間にある境界とは?/自暴自棄にならない精神力。自閉症者の秘めた理性に気づいてほしい/励ますより、受け止めることのほうが難しい 他
- V 純粋さ、うしろめたさ、嘘、そして夢
- 障害者は純粋か?/みんな何かしら、うしろめたさを感じながら生きている/自分らしく生き続ける姿に、関心をもってもらえればいい/嘘がその人の逃げ場なら、少し休んでまた戻ってくればいい 他
- W 自閉症者への対応とは? 自己愛とは?
- 自閉症者だからこうしなければ!という画一的なやり方はない/自分のことを好きだといえる人は幸せ/自己愛は起原も頼りなければ、育てるのも大変/自閉症という事実は、自分が何者かの重要な答えのひとつ 他
- X 自分を意識する不思議さ、支援とは
- 人は己が何者か、その判断を人にゆだねている/「人間である」という事実が存在するだけ/支援とは、何が必要なことかを見極め援助すること/社会の一員として僕らしく生きていきたい 他
- Y 「共世界へのためらいがちな参入」のために
- 強くなくても生きられる。心が満たされないから生きづらい?/誰が泣いても笑っても、人は他人のことに無関心でいられない/人の心ほど、繊細で複雑なものはないと思う/ボクたち、ちょっとは友達になれたかな? 他
- 対談 東田直樹×山登敬之
- 僕は笑ってもらえると、うれしい。悲しんだりされるとつらい。
- (コラム)発達障害から「発達マイノリティ」へ 山登敬之
- 東田直樹さんに聞く「A to Z」
- おわりに 東田直樹